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2019年2月27日水曜日

自作セーリングキット K2でのテスト

2月のある週末、自作セーリングキットのテストを琵琶湖で行いました。



1昨年に1人艇(Heron)のために作って、瀬戸内ツーリングでテストしたキットをそのまま2人艇(フェザークラフト K2)転用しました。

今回の大きな目的は、
サイドのポンツーンなしでどこまで攻められるかを探ること
です。

マストはウィンドサーフィン用のカーボンマストで、自作のベースと合わせた高さが約420cmくらいです。
帆は1人艇用を使用します。2人艇用はどう見てもでかすぎるので。
Feathercraft Heronに装着した状態。ポンツーン付き。

今回はサイドのポンツーンがないので、人間の体重移動でヒール(横風で傾くこと)を含めてコントロールする必要があります。
サイドのポンツーンがあれば、その辺りを気にしなくても良くなるのでかなり気楽です。

ですが、
・セーリングキットがかなり大掛かりになる。(色々面倒)
・向かい風など漕ぐシチュエーションでは非常に邪魔(ものすごい抵抗になる)
・「艇を操る楽しさ」が半減してしまっているのではないか?という疑問がわいた
ということで、シンプル・イズ・ベストで、「古式サバニ」風に仕上げて見ました。
サバニ塾で使ったサバニに近いシェイプです。

正直、かっこいいです。
古式サバニ@サバニ塾

古式サバニ2@サバニ塾

ドライスーツを着込み、いざ冬の琵琶湖へ。
天気は良いけれど、あいにくの風が安定しない難しいコンディション。

ちょっとした風の変化にも、敏感に艇が反応するので、気が抜けない反面、風と対話している感が非常に強く感じられました。
急な突風が吹いても、マストが軽いので、人間が体重移動をするとヒールが復元します。
また、艇のエアスポンソンである程度はヒールが止まるので、そこまでの恐怖感はありません。
この辺り、非常にサバニっぽい。

風速7〜10mくらいの風に向かって漕いでも、あまりセールキットが付いている感じがしません。向かい風は、普通のカヤック程度のしんどさですみます。

追い風気味に風を受けると、5ノット(時速10km/h弱)にも関わらず、音もなく艇が急加速し、(ポンツーンがないのでとても静か)水面を滑るように進みます。


しかし、横からの突風を受けると、どんどん風下にドリフトします。2人で風上に体重移動しても、前に進むよりも、風下斜め45°に進んでしまいます。
そんな状況だと、流石に帆は縮帆するのですが、これが意外に抵抗になってしまっているようでした。

ちょっとビビりつつも奇声を上げて楽しんでいたのですが、やはり帆が大きすぎました。
斜め後ろからの強風に、風上側に2人で体重を預け、エーク(櫂)を目一杯当てて進路を安定させつつ、疾走感を楽しんでいたその時。。

急に風が止まりました。

すると艇は当て舵の方に急旋回、風の支えを失った帆は風上側に急激に傾き…
風上側に見事に沈。
フェザークラフトK-2でマジ沈したのはこれが初です。

かくして、パドラー2人は真冬の琵琶湖に放り出されたのでありました。(しかも岸から1kmは離れている)

サイドにポンツーンがないので、復元は比較的簡単です。
マストが水中に横倒しになったまま帆を下ろし(下ろさないと水中で抵抗になって艇が上がらない)、沈した反対側から2人で引っ張るとあっけなく艇は元に戻りました。

順次セルフレスキューで乗り込みますが、とりあえず艇に馬乗りになれた相棒が
「なんか脚が重い。コクピットに脚が入れられない」
と言いだすではありませんか。

いやー、真冬に水に入ると思いの外消耗するねー、なんて言っていた矢先、
「ナンジャコリャー」
の叫び声が。

…ドライスーツあるあるで、
おしっこチャックが開いていたのです!
見事なウェットスーツになっていました。

この後、無理やり乗り込んで大急ぎで漕いで岸に向かい、事なきを得ました。

何事もなさそうですが、帆が絡まってます。


とりあえず、今回の教訓。
・帆がデカすぎる。もう少し小さい帆で十分。
・マストが高すぎる。低い位置の方が安定するはず。
・おしっこチャックは乗り込む前に絶対確認。

とにかく、乗り物としては最高に楽しかったので、もう少し探求を進めたいと思います。
あと、1人艇でポンツーンなしというのは、相当厳しそうというのもわかってきました。

では、次回のテストに乞うご期待。
あー、今回で思いついたアイデア早く試したい〜!!