空と水面の光度が少しづつ上がり、群青になり、白っぽくなり、橙色になって日が昇って行く様子を空も水面も色が変化する水上で単純にじっくり見てみたい、と考えたのがことの発端。
深夜、東に向かって漕ぎ出し、夜明けの瞬間を水上で迎える、と一行で書いてしまえばそれまでのツアーなのですが、さまざまなスキルが要求される、なかなかレベルの高いイベントであるため、機が熟してようやく実現となりました。
場所はGranstreamホームグラウンドの琵琶湖。
太陽ができるだけ正面から昇ってくるようなコース取りを実現するため、前日夕方に少し南下し、東に一直線で進めるコース取りができるように調整します。「方違え」(Wikipedia参照)ではありませんが、なんだか行動としては似ています・・・
午後3時。
通常のツアーであれば、上陸してもおかしくないような時間に集合し、まずは深夜出発地点まで漕いで移動。
途中で日没を迎えます。水面でのマジックアワー。これだけでも満足できそうです。
湖上の日没 |
そして、買い出し&夕食のために街で上陸。
到着感がでていますが、まだ途中です。 |
買い出し&夕食後、闇夜を漕いで仮眠場所へ。
午前2時。暗闇の中、起床、準備、出発。
これから15分もしないうちに漕ぎ出し Photo: S.Ose |
東西方向に進むため、星が動いていっても大きく進路がずれていくことはありませんが、東に進むと目印の星がどんどん上空に上がってしまうため、時間によっては時折変更する必要があるかもしれません。
当日は新月で月はなく、少々湿度が高くて霧っぽいものの、星がよく見えたのが幸い。
漕ぎ進むにつれて、だんだんと参加者のシルエットがおぼろげながら見えるようになってきたな〜、と感じてくる時がきたのですが、目が慣れてきたのではなく、空はまだ暗いけれども、日の出の時刻が近づいてきていたためでした。
西の空と東の空を比べると、ほんの少しですが、東の空の方が群青+黒の色合いに。
もちろん、暗すぎて写真は撮れません・・・
自分がいる場所に日が差し込むよりも遥かに速く、空の上の方には日が射し始めます。
上空にある雲や水蒸気に日光があたるせいか、東の空に暖色系の色が混じり始めるまでの間、「大気の高さ」が見えるように感じました。
夜は暗い空に「平面的に」星が並んでいるように見えたのですが、だんだんと「大気圏」に光があたることによって、星がその先にある、それぞれの距離が感じられるような天体に見えました。
思わずパドルを動かす手を止め、大きな口を開けて夜空の終わりかけをしばし見上げてしまいました。
例によって、暗すぎて写真はありません・・・。
写真に撮れるようになるのは、明るい場所にあうように調整されているカメラのせいもありますが、これくらい明るくなってからでした。
もう曙の時間です。 |
しかし、雲の層の切れ目から太陽が顔を出した瞬間、涼しかった湖上が急に暑く感じられ、夏の太陽を実感させられました。
日の出。Photo: S. Ose |
日本海側に前線があったようで、その影響を受けていたようです。
再び雲に隠れる朝日。Photo: S.Ose |
その後、最寄り駅付近でモーニングで朝食中、何度も激しい通り雨がすぎていきました。
多分に非日常感にあふれたこのツアー、刻々と変化していく「色」が非常に印象的でした。もちろん、家で徹夜していてもこの色の変化は見られますし、わざわざカヤックに乗らなくても朝日はやってきます。
しかし、「色」の変化、明るくなると急に聞こえだす「音」、太陽が昇ってきて感じた「熱(暑さ)」、太陽で暖められて動いた空気による「風」、こういった自然の変化を直に触れ、感じられるのが、「カヤックに乗っているその瞬間」の楽しみであると再認識させられたツアーでした。
Thanks to Granstream
Granstream Blog: Summary
ここまで来てちと野暮ですが、旅の記録。
初日:移動距離 10.4km、時間 2:56、漕行時の巡航速度4.5〜5km/h 夕日を眺めていた時間も含めての平均速度3.5km/h
より大きな地図で 140802-03_琵琶湖サンセット&サンライズツアー を表示
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