色は今はなきグレー。
せっかくなので、艇の感想を書き残そうと思います。
手前の黒ヘロンが近藤艇。 奥の白ヘロンは伊東画伯使用艇。 |
長さ x 幅 5.4 m x 60 cm
重さ 24.5 kg
最大積載量(パドラー含む) 185 kg
■他の艇との比較
ぱっと見た感じ、「でかいウィスパーXP」ですが、特性はだいぶ異なります。
ウィスパーが、カサラノの運動性とカフナの手軽さを融合させた艇、ヘロンがカサラノのスピードとK-1の積載能力を融合させた艇なので、見た目が似るのはまあ、偶然ではないと思います。それにしても、必ず融合させたい元として出てくるカサラノ、どれだけスペシャルな艇なんだ・・・
どこのあたりで特性が変わるかというと、横から見るとよくわかります。
(画像はGranstreamのカタログページから拝借)
●カサラノ
①ボトム部分が深い
ウィスパーの方がデッキが「屋根型」になっており、艇の高さをデッキの立ち上がりで稼いでいる状態になっています。それに比べると、ヘロンはU字溝にフタがしてあるような作りになっています。この辺り、カサラノよりに作ってある感じがしますね・・・
②バウとスターンの立ち上がりが急角度
できるだけ水線長を稼ぐためだと思うのですが、バウもスターンもボトムの下の方の部分、いわば「アゴ」の部分が突き出ています。水線長が長いおかげで、漕げば漕ぐほどスピードが乗る艇になっています。ただ、艇自体が重い、たくさん積んでこそのヘロン、と考えると、「漕げば漕ぐほど」の部分がくせ者なのですが・・・
■漕いでみた感想
艇のサイズ感もあると思いますが、荒れた海で乗っても不安感はありませんでした。
ただ、あまりにも積み荷(パドラー含む)が少ないと浮きすぎて風で煽られる感じがした(隠岐のときはパドラー+荷物で80kgくらい)ので、人モノあわせて100kgくらいは積みたいところです。
そうすると、必然的に漕ぎ味は重くなりますが、スピードが出てきても、短い艇(Kライトやカレント)のように、造波抵抗ができてくる訳ではないので、パワーがあればあるだけスピードを出すことができます。
パドリングの重さの感触としては、パドリングをしているとウィスパーの1.3〜1.5倍の負荷が常にかかっている状態でしょうか。
よって、長期遠征や島渡りで乗りこなそうとすると、持久力に加え、ある程度の重量を引き続けられる力が必要(パワーっていうと少し多義になるので、具体的にしてみました)になります。
このへん、もともと骨太で力と体重がある人以外は、要トレーニング(しかも恒常的なトレーニング)な部分になるかもしれません。
体が大きい人にとっては、今までK-1くらいしか選択肢がなかったので、安定性を重視するか、スピードを重視するかの選択肢ができたことは非常に良いと思います。
普通の体格の日本人&カヤックスタイルには少々オーバースペック、過負荷になりますが、セーリングや今後ロングツーリングに出て行きたいという野心を持っている方には、ぴったりの艇なのではないかと思います。(ちょっとトレーニングしないとつらいかもしれませんが・・・)
こんな状況でも不安感がないのはさすがです。 |
個人的には、年に一回はヘロンじゃないと行けないなー、とヘロンを選ばざるを得ないようなロング&ハードツアーに出たいなー、と思う今日この頃です。
まあ、「○○に一回は□□じゃないと・・・」の部分には持っている艇全部(フェザーに限らず)を入れられる回答が用意されているので、本音を言うと通年四六時中カヤックを漕いでいられる身分になりたいぜ、になってしまうのですが、家庭もあるし(自分で作っちゃったし)、生業もあるしで世の中そんなに甘くないのがつらいところで・・・ (^ ^;)>
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