主催は「登る人」。
主催の彼女がこのようなトークショーを開くようになったいきさつは、こちら。
これもなかなか素敵な話です。
話のメインが去年の北極極夜行準備とのことで、ナショナルジオグラフィックで彼の記事を読んでいた私としては、是非是非詳しく聞いてみたいところだったので・・・。
仕事で遅くなり、イベント開始ぎりぎりの滑り込みセーフでしたが、なかなか日本の冬では体験できないことばかりの話で、非常に興味をそそられました。
特に、どこにも出かけていないグリーンランドの村(シオラパルク)での毎日の生活の話。
毎日どこかに出かけている訳ではなく、天気や準備が整うまでは村にいて普通に生活している訳なのですが(当たり前だけど)、アザラシの腸を茹でたものを食べたり、村の若者と狩りに同行したりという何気ないけれども日本の生活からするとあまりないような出来事のディテールが、これまた面白い。
シーカヤックで、天候待ちの停滞のときに飲みに行ったお店が妙に忘れられない、みたいなものでしょうか。(ぜんぜん違う気もするが。)
記事になっている部分以上に、その行間や段落間の話を楽しませていただいた数時間でした。
実は、角幡氏、ここ20年くらいずっと私とすれ違ってきていたのですが、このトークイベントで初めてお会いすることができました。
なんせ、「空白の五マイル (集英社文庫) 」に登場する「只野」は私の先輩で、角幡氏が早稲田大学カヌークラブの部室を訪れたほんの30分後に私が部室に顔を出しておりました。(ここで、探検部のヤツがヤルツァンポーを「やる」らしいと只野から聞き、事故のことを聞いていた私は探検部にはずいぶん酔狂なヤツがおると思っていたのですが)
その後時は巡り20年弱ほど経ち、もう少し私もおじさんになったおりには、私がちょうど仕事の都合で行けなかったグランストリームのカヤックツアーにカヤックのトレーニングとしてカクハタ氏がツアーに参加していたり、ナショジオの記事にもなったグリーンランドのカヤックデポ旅に同行した山口将太くん(ブログ更新しろよー)が私がグランストリームでやっているパドリングワークショップに参加してもらっていたりして、なんだかよくわからないんだけど、勝手に外堀を埋められているような気が非常にしていて、中部方面でトークイベントがあると聞きつけたので一方的に押し掛けて行ってみた、というのが実際のところなのでした。
いやいや、決して雄弁ではないところも含めて、言葉の端々に言葉にならない面白さがある体験を聞くことができました。
極夜のグリーンランド、気をつけて楽しんできてください。
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